ジャーナル

弁護士は依頼者の文書をChatGPTに入れてよいのですか。秘匿特権とAI

公開のチャットボットには入れないでください。自社で管理し、依頼者との条件が許す場所でホスティングされ、データが学習に使われず、アクセスが記録され、法律顧問が承認したツールを使ってください。

elie nahasco-founder & cto1 分で読了

一般消費者向けの公開チャットボットには入れないでください。依頼者の文書は、事務所や会社が管理するAIツールに置くべきです。データを学習に使わないことを定めた法人向けの条件、依頼者とデータ保護の義務が許す場所でのホスティング、案件ごとのアクセス制限、そしてログです。特定の使い方が秘匿特権に影響するかどうかは、御社自身の法律顧問に確認すべき問題です。本記事は法的な助言ではありません。

要点

  • リスクはAIそのものではなく、文章がどこへ行き、誰が読めて、提供元の条件に何が書かれているかにあります。
  • 米国の連邦裁判所は、被告人と公開のAIチャットボットとの会話には秘匿特権が認められないと判断しました。
  • DIFC裁判所のガイダンスは、入力を保存または再利用する可能性のある公開モデルを使う際の守秘義務について警告しています。
  • 弁護士はいずれにせよAIを使います。利用を個人のアカウントに追いやる禁止よりも、明確なルールを備えた承認済みのツールのほうが安全です。
  • ツールごとに、データがどこで保存・処理されるか、誰がアクセスできるか、どれくらいの期間保持されるかを書面にしてください。

法務チームでは実際に何が起きているのですか

アソシエイトが、和解の書簡の下書きの文言を整えるためにチャットボットに貼り付けます。事業部の担当者が、相手方の契約書をアップロードして意味を尋ねます。社内弁護士が、個人のスマートフォンで取締役会資料を要約します。誰もそれを開示だとは考えていません。しかし全員が、事務所の誰も確認していない条件のもとで、依頼者や会社の情報を第三者に送っています。

これは職場全般でよくあることです。AI利用者の78%が、会社のものではなく自分で用意したAIツールを持ち込んでいます(Microsoft・LinkedIn Work Trend Index、2024年5月)。

#AIを使うと、法的な秘匿特権は放棄されたことになりますか

答えは一つではなく、法域と事実関係によります。一つの兆候として、United States v. Heppner事件で、ニューヨークの連邦裁判所は、刑事被告人と公開のAIチャットボットとの会話は弁護士・依頼者間の秘匿特権にもワークプロダクトにも保護されないと判断しました(Orrick、2026年3月)。

解説者たちはこの判断を狭く解しており、弁護士の指示のもとで管理されたプラットフォーム上で使われるツールを、他の裁判所がどう扱うかまでは決まっていません。それでも、提供元の条件と利用者の立場が重要であることは示しています。チームが使うツールに秘匿特権がどう適用されるかは、御社自身の法律顧問に確認してください。

#湾岸地域の裁判所は、AIと守秘義務について何と言っていますか

DIFC裁判所の大規模言語モデルに関するガイダンスは、公開のAIモデルが入力データを保存または再利用する可能性があり、それが守秘義務違反になり得ると警告し、提出書面でのAIの利用について依頼者に知らせておくよう実務家に求めています(DIFC裁判所、2023年12月)。法的文書に含まれる個人データは、UAEの2021年連邦政令法第45号などのデータ保護法の対象にもなります(UAE政府ポータル)。

#法務部門のAI利用方針には、何を盛り込むべきですか

  1. 作業ごとの承認済みツール:起案、要約、調査、翻訳。
  2. どのツールにも決して入れてはならないもの:たとえば封印された資料、特定の依頼者への秘匿特権のある助言、依頼者との契約で除外されたデータ。
  3. 承認済みの各ツールについて:データがどこで保存・処理されるか、学習に使われるか、保持期間、提供元の誰がアクセスできるか。
  4. 案件ごとのアクセス権。もともとアクセスできた文書にしか届かないようにします。
  5. 職業規則や依頼者の条件が求める場合の、依頼者の同意と委任契約書の文言。
  6. 誰がどの案件でどのツールを使ったかの記録と、そのログを確認する名前のある責任者。

法人向けのチャットボットのプランで十分なのはどんな場合ですか

多くのチームにとっては、データを学習に使わない設定、シングルサインオン、保持期間の設定を行った主要なアシスタントのビジネス向けまたはエンタープライズ向けプランで、機微でない資料の起案や要約には十分です。頼る前に、どこでデータが処理されるかを確認してください。御社自身の文書を扱うプライベートなアシスタントが適しているのは、案件が機微な場合、依頼者の条件で処理場所が制限されている場合、あるいは案件ごとに作業を分けておく必要がある場合です。

これらの選択肢は、CopilotやChatGPT Enterpriseで十分かと自社の文書で動くプライベートなChatGPTで比較しました。

#Stennirは、法務チームが安全にAIを使えるようにどう支援しますか

StennirのAIコンサルティングの診断では、どの法務の業務フローがどのデータに触れるかを整理し、それぞれについてツールの方針とホスティングの判断を書面にし、AIの出力を誰が承認するかを決めます。AI導入では、プライベートなアシスタントや業務フローを御社のアカウントの上に構築し、御社のルールが求める場所にホスティングし、案件単位のアクセス制御を行い、すべての操作を記録します。AIトレーニングでは、弁護士とスタッフに、自分たちの文書を使って方針を教えます。

We are

Stennirは、何かを構築する前に法務データをどこで保存・処理するかを決め、アカウント、ログ、停止スイッチを御社の手元に残します。

We aren't

Stennirは法律事務所ではなく、秘匿特権や職業倫理について意見を述べることはありません。それを決めるのは御社の法律顧問と規制当局の規則です。

ゼネラルカウンセルやマネージングパートナーは次に何をすればよいですか

先月、依頼者や会社の文書にどのAIツールを使ったかを、責めることなくチームに尋ねてください。その答えが、最初の棚卸しになります。コンプライアンスと法務のチームがAIをどう使っているかはコンプライアンス向けのAIでご覧いただけます。無料の準備度診断を受けるか、30分の通話を予約してください。

よくある質問

ChatGPT Enterpriseは依頼者の文書に使っても安全ですか。

安全な構成の一部にはなり得ますが、安全性はブランドではなく、設定と条件から生まれます。データが学習から除外されていること、処理される場所、保持期間、管理者のアクセスを確認してください。そのうえで、どの案件で使ってよいかを決めます。それが御社の職業上の義務と依頼者への義務を満たすかどうかは、法律顧問が確認します。

Stennirが法務アシスタントを構築した場合、当社のデータはどこに保管されますか。

御社のルールが求める場所です。Stennirは構築の前に、ホスティングの判断を範囲の中に書き込みます。どの国か、どのクラウドか、そこでどのモデルを動かせるか、ログをどこに置くかです。アカウントは御社の名義で、アクセスは案件に沿って設定され、停止スイッチは御社が持ちます。

プライベートな法務アシスタントは、アラビア語でも使えますか。

はい。Stennirは、二言語の契約書やアラビア語の往復書簡を含む御社自身の文書を使って、アラビア語と英語でアシスタントを構築し、検証します。アラビア語の法律用語は、展開前に御社自身の用語集と照らして検証します。その他の言語もご要望に応じて対応します。

承認済みの法務AIツールでも、どんな問題が起こり得ますか。

アクセス権が広すぎて、見るべきでない案件を誰かが見てしまうこと。それでも承認されていないツールに文書を貼り付けてしまう人がいること。そして出力が誤っていることです。案件単位の権限、ログ、誰もが理解できる短い方針、そして出力を承認する名前のある担当者で、その大半に対応できます。

最も時間がかかっている仕事を教えてください。

30分。事前準備は不要です。AIが役立つかどうか、どこから始めるべきかを率直にお伝えします。